ローカリゼーションデイ日本

投稿日: カテゴリー: Event

2021年6月12日(土)、日本中のローカリゼーションが大集合するオンラインイベント「ローカリゼーションデイ日本」を開催します!

ローカリゼーションとは、人々のつながりと多様性という土台の上で繁栄する、わたしたちの「新しい物語」です。共に食べ物を地域で育てて食べる。子どもたちをつながりの中で育てる。一人ひとりと私たちを育んでくれる自然を大切にする。お金が地域でまわり、安定的雇用を生み出し、みんなが誇りに思える地域経済。そのような、人も自然も再生していく(再生的 / Regenerative)暮らしと社会のあり方を模索する世界的なムーブメントです。

世界のローカリゼーション運動をネットワークする国際組織ローカル・フューチャーズは、新型コロナウイルスの感染拡大によってグローバル経済システムが立ち往生している今こそローカリゼーションにとっての好機であると、6/15〜6/20の5日間、英語をベースとしたさまざまなオンラインプログラムを展開します。

日本では、ナマケモノ倶楽部、NPO法人グリーンズ、NPO法人GEN-Japan、NPO法人トランジション・ジャパン、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会により実行委員会を結成。日本語での「ローカリゼーションデイ」を6月12日(土)オンラインで開催することになりました!

お申込、詳細はこちら⇒ https://peraichi.com/landing_pages/view/localizationdayjapan/

ローカリゼーションディ日本分科会企画*「暮らし」からどう変える? 食と農と森の輪・人の和

投稿日: カテゴリー: Event
暮らし」からどう変える? 食と農と森の輪・人の和
日 時:2021年6月12日(土)14:00-16:30(そのうち分科会は90分です)
参加費:無料
申込先:https://wldjapan2021.peatix.com/
必ず事前にお申込みください。
日本ローカリゼーションディ日本は朝から夜までの3部制ですが入退場自由です。
この企画はその第2部の分科会になります。
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考えたり、描いてみたい人、集まりませんか?
毎日の「暮らし」から、何が変えられるでしょう?
3人のゲストから、ヒントになる具体的な提案や方向性を聞いて、
集まったみんなで一緒に描いてみませんか。
<進行>片山弘子(GEN-Japan代表)
<ゲスト>
★四井真治:パーマカルチャーデザイナー/ソイルデザイン代表)
★たいら由以子:コンポストトレーナー/ローカルフードサイクリング代表取締役
★小野雅司:サイエンズ研究所/アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ
四井真治さんは「生きるということ自体が、究極の持続可能な仕組みじゃないだろうか。日常の暮らしが楽しくて、毎日があっという間」、といいながら、家族でできる持続可能な暮らしを研究しながら築き上げてきました。長年培われてきた経験を、各地のフィールドで展開しています。
たいら由以子さんは、家庭の生ごみからベランダで豊かな土をうむ、段ボールコンポストの実践と社会化に取り組み、現在は公園や空き地やビルの屋上を農地にしていきつつあります。半径2キロの栄養循環に挑戦中。
小野雅司さんは、日常の暮らしの中で、誰でも、安心して本心から話し合える人と人、人と社会について、アズワンのコミュニディつくりの20年にわたる実践例から紹介します。
四井さんもたいらさんも小野さんも、それぞれではつながりがありましたが、今回初めてトリオを組んでのコラボになり、会場に集まった皆さんと一緒に考えられるのを、とても楽しみにしています。
どんなものが浮かび上がってくるでしょう、一緒にあつまりませんか。
つながりが、やがてコミュニティに育っていく道筋を一緒に描きましょう。
主催:NPO法人GEN-Japan

「食の地産地消」が世界を救う! ー世界ローカリゼーションデイ2021

投稿日: カテゴリー: EventMovie

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん率いるLcal Futuresで制作された「Local food can save the world!」の日本語字幕付の3分弱の短い動画です。
「ローカリゼーションデイ日本」は6月12日(土)朝10時から夜8時まで3部構成で、
多彩なゲスト、プログラムでお届けします。参加費無料。
▶「ローカリゼーションデイ日本」お申込みはこちら(定員460名、先着順)
▶元の動画(英語): https://youtu.be/MpNcSxfuecU
▶「世界ローカリゼーションデイ」特設サイト(英語): https://worldlocalizationday.org/

Gaia2021-5月内藤正明氏公開講座@ONLINE「人類持続の社会は地方から」

投稿日: カテゴリー: EventGaia

「人類持続の社会は地方から」
~コミュニティをつくることで、なぜ解決できるの?~

現状を諦めている人
技術を開発していけばなんとかなると思っている人
このまま経済が続くと思っている人

がほとんではないでしょうか!

しかし、解決への道は、私たちの足元にあるのです。
解決が難しくなってしまうのは、「私たちの日々の暮らしの豊かさをもたらしてきた、産業や経済そのものが、危機の原因」となっていることではないでしょうか。

未来へのシナリオには3通りあると内藤さんは言います。

1. 成り行きシナリオ
2. 先端技術シナリオ
3. 自然共生社会シナリオ

そのシナリオの違いと、地方から解決していける可能性についてお話ししていただきます。

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日 時:2021年5月21日(金)15:30-16:50
申込先:https://gaia2021-5.peatix.com
参加費:無料

<スケジュール>
15:30 「コミュニティをつくることで、なぜ解決できるの?」
16:30 質疑応答
16:50 クロージング

<内藤 正明氏プロフィール>
京都大学名誉教授。国立環境研究所総合解析部長、京都大学大学院地球環境学堂・学舎長をへて2021年まで滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長。
研究者として環境問題を真に克服するための社会のあり方、自然と共生した社会の実現にむけた研究、情報発信を展開している。
(著書) 岩波講座『現代環境技術と地球環境学』、同『持続可能な社会システム』、昭和堂『漫画で学ぶエコロジー』、同『持続可能社会への挑戦』嘉田由紀子氏と。

4月24日にEarth Day Tokyo2021オンライン企画に参加

投稿日: カテゴリー: EventGEN
GEN-Japan主催の1月~3月まで開催されてシリーズ「コミュニティを創って生き抜こう!」に登壇してくれた、谷崎テトラさん、三角サイハテエコビレッジからは工藤シンクさん、坂井勇貴さん、余市エコビレッジから坂本純科さん、アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティから岸浪龍さんなどによる活動紹介や、アーストライブからは鈴木洋見さんがビデオレターと素敵な屋久島の映像で参加してくれました。
また、トークセッションでは「with コロナの時代、これからのローカルやエコビレッジの役割って?」というテーマでガイア3期卒業生の日野進一郎さんも加わって、みなさんにお話ししてもらいました。

GEN-Onlineサミット

投稿日: カテゴリー: EventGENMedia/Newstopics

GEN-Onlineサミット、3年目の今年は、年々厳しくなる気候変動や、コロナのようなパンデミックとともに人類がどうこの地球上で調和しながら生き残れるか、その解決法を示すものとして、世界のモデルとなるエコビレッジや、その思想的背景を取り上げました。
一週間で世界各地の主だった60あまりの事例の中で、アジアからはインドのTIエコビレッジ、中国のサンシャインエコビレッジ、日本のアズワンコミュニティ鈴鹿がとりあげられています。また再生可能な社会を生み出す有効な10個の解決法の一つとして、Whole System Designとしてのサイエンズメソッドが取り上げられています。
私も、アズワンコミュニティの中で、メンバーの中でどう人が成長し、意識が変容していくか、インタビューを受けました。
インタビュワーのベンジャミンさんは、フィリピンで自らもコミュニティを創りながら、GEN インターナショナルのコアメンバーとして各地のエコビレッジの活動を見守っている人です。
身をもってコミュニティの日常での人間関係の問題、内面の葛藤がどれだけその社会気風に影響するかを体験していることから、その解決が、今後のエコビレッジづくり、ひいては、全人類の生存をかけた課題だと考えています。
サイエンズ・メソッドについては
https://www.facebook.com/GlobalEcovillageNetwork/videos/800153317580587
https://summit2021.ecovillage.org/…/as-one-community…/

Building Communities and Surviving Together part 3

投稿日: カテゴリー: EventGEN

This is finally the last part of the series that began in January.

We will listen to Helena Norberg-Hodge, the world’s leading localizer famous for the movie “The Economics of Happiness,” and the next generation of practitioners and activists. And let us think about how we can develop and disseminate localization and ecovillage activities from Japan.

Finally, we will celebrate the finale and a new beginning with messages from all the speakers who took the stage in February.

What we have seen through these three months of planning is the brightness and strength of community building and community development in Japan, where so many people are trying to live hand in hand, connected by love and trust, while staying close to their communities.

The people who come together for this project are people who are ahead of the time and are developing grounded activities in various regions all over Japan

I can’t tell you how many people have been encouraged by this, and in response, we at GEN-Japan are trying to firmly nurture this platform.

Let’s gather our wisdom and strength, and together, from Japan and connected to the world, let’s bring back to our feet a society where we can live a truly human life!


Date and time: Friday, March 19, 19:00 – 21:00
Saturday, March 20, 10:00 – 12:30

Fee: General 2500 yen / Students and GEN-Japan members 1000 yen
For those who have participated in either the first or second series, general admission only: 2000 yen
Even if you can’t attend, we will distribute the video to everyone for a limited viewing period.

Application: https://gen2021-3.peatix.com
For more information, please visit https://genjp2015.wixsite.com/event2021
If you can’t make it, we will send you the video for a limited time.

March 19th  the first day
19:00 Acknowledgements  Hiroko katayama GEN-Japan
19:10  What is “World Localization Day in July” ?
Helena Norberg= Hodge will give her speech with consecutive  interpretation (total 40 min)
19:50 Introduction of the activities of Local Future
Henley Coleman (Local Future) with consequtive interpretation

 

20:10 Talking sessions ” How to foster local movements in the future ?”

20:10 Talk Session – How to foster local movements in the future
     Shinichi Tsuji, Sawyer Kai, Hiroko Katayama


March 20: From Japan to the World with younger generations
(Facilitator) Sawyer Kai
10:00 Greeting
10:10
Henley Coleman (Local Future )
Ngothao Kin (Vietnam NextGEN GENOA)
Shan Wang  (China GEN-Japan) 
Ryu Kishinami (Japan, As One Suzuka Community)
Consecutive interpretation 

11:00 Talk Session – Let’s sail together to the world!
     Shinichi Tsuji, Sawyer Kai , Masashi Ono,
                   Azumi Nozaki, Hiroko Katayama
12:00 Message from each region to the world
Misumi Ecovillage: Shink Kudo, Itoshima Projent;
Yoshihiro Fujii, Tawarayama Guest House Project;
Daisuke Yoshitake, Umikaze; Kento Itoh, Kamogawa
Project; Yoshiki Hayashi, Transition Nagoya; Azumi
Nozaki, Share House Youkodai;Hirotaka Toya, Dahna
Village; Minori Ogawasing

12:30 Closing

 

第3弾 コミュニティをつくって、みんなで生き抜こう!

投稿日: カテゴリー: EventGENtopics

Building Communities and Surviving Together!

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ & 辻信一 & ソーヤー海

Henry Colman     Ngothao Kin  Wang Shan  小野雅司  野崎あずみ
工藤シンク 藤井芳広、吉武大輔、林良樹、伊藤研人、戸谷浩陸、小川美農里


1月から始まったシリーズもいよいよ最終回です。映画「しあわせの経済学」で有名な、世界のローカリゼーション活動をリードする、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジと、次世代の実践家や活動家たちのお話を受けて、これからのローカリゼーションやエコビレッジ活動を、日本からどう展開し、発信していけるか、みんなで考えます。そして最後に2月に登壇した各地のみなさんから、メッセージが寄せられて、フィナーレと新しい門出をお祝いします。

この3か月の企画を通して見えたのは、日本の各地で地域に密着しながら、これだけの人たちが、愛と信頼でつながり、手を取り合って生きていこうとしている、地域づくりやコミュニティづくりの、明るさと力強さです!

この企画に結集した皆さんは、時代の先駆けとして、地に足の着いた活動を、日本列島の南から北まで様々な地域で展開している人たちでした。そこにどれだけの人たちが勇気づけられたことかと、その反響に私たちGEN-Japanも、みなさんのプラットフォームをしっかりと育てていこうとしています。

知恵と力を結集して、日本から、そして世界とつながりながら、みんなで、本当に人間らしい生き方のできる社会を、私たちの足元に取り戻していきましょう! 


日 時:3月19日(金)19:00~21:00
      3月20日(土)10:00~12:30

参加費:一般 2500円 / 学生・GEN-Japan会員 1000円 
    シリーズ第1弾、第2弾どちらかにご参加の方は 一般のみ 2000円
    ★もし参加できなくても、視聴期間限定で皆さんに動画を配信いたします。

申込先:https://gen2021-3.peatix.com
詳細はこちら⇒ https://genjp2015.wixsite.com/event2021
★Peatixのチケット欄のフリーパスの回数が5回になっておりますが、2回の間違いでしたので、申し訳ございませんでした。

<スケジュール・スピーカー>
▼3月19日 コミュニティをつくって、みんなで生き抜こう!
進行)ソーヤー海
19:00 挨拶
19:10 ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(Local Futures創設者代表)
19:50 ヘンリー・コールマン(Local Futureプロジェクト・コーディネーター)
    (各逐次通訳)
20:10 トークセッション ~これからローカルの動きをどう育てるか~
      辻信一 ソーヤー海 片山弘子
21:00 クロージング

▼3月20日 若者たちとともに日本から世界へ
進行)ソーヤー海
10:00 挨拶
10:10 Ngothao Kin(ベトナム /NextGEN and GENOA)
     王 山(Wang Shan)(中国 /GEN-Japan) 
     ヘンリー・コールマン(オーストラリア /Local Future)
              岸浪龍(日本 /アズワン鈴鹿コミュニティ)
            (各逐次通訳) 
11:00 トークセッション ~これから世界に向けて 一緒にあゆもう~
     辻信一 ソーヤー海 小野雅司 野崎安澄 片山弘子
12:00 各地から世界へ ひと言メッセージ
     第1弾、第2弾のスピーカーの人たち
12:30   クロージング

協同組合とエコビレッジ 玉木信博さんから

投稿日: カテゴリー: Eventresources
エコビレッジと協同組合について述べた書籍の写真ー協同組合とエコビレッジー考察
個人的には、先進諸国において平和、環境、健康等に強い関心のある一部の人々が、自らのライフスタイルを求め、共通の考えを持つ あたらしいコミュニティを創っていくというエコビレッジの思想と、労働者協同組合(ワーカーズコープ)とでは異なる印象が強かった。
労働者協同組合は既存の地域社会の課題に直接的に事業や運動を通じて市民主体の力で解決していこうと考えるからである。
しかし、先進諸国の「目的共同体」としてのエコビレッジと共に、近年ではエコビレッジは第三世界の伝統的な暮らしを営む村落で文化の持つ力やエネルギーをうまく生かして、新たなローカリゼーションの運動を展開している実践がある(「いよいよローカルの時代」ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、辻信一、大月書店)。
前述のヘレナ氏はインド北部のラダックの人びとの伝統的な暮らしから学ぶことで、グローバリゼーションへの警笛と共に、現代のエコビレッジ運動へ大きな影響を与えている。ヘレナ氏はエコビレッジの運動の可能性を「エコビレッジを形成する運動は、おそらくグローバル経済への従属に対抗する最も包括的な手段である。世界中で、人びとは現代生活の特徴である、浪費、公害、競争、暴力から抜け出そうとする共同体を構築しつつある」と述べている。
また、エコビレッジに代表される「コハウジング」を基盤とした「目的共同体」の運動をリードしたデンマークの思想家ヒルダー・ジャクソンはエコビレッジの可能性を「広範囲に及ぶ持続可能な社会への転換こそが人類が地球上で暮らす上で必要とされていることを伝えることができるようにする」と考えていた。(参考、世界のエコビレッジ 持続可能性の新しいフロンティア、ジョナサン・ドーソン、日本経済評論社)つまり、エコビレッジの運動そのものが、社会変革を目的にあるということだった。
エコビレッジ運動の中でロス・ジャクソンらが設立したガイア・トラストという団体が 1990 年の報告書で、エコビレッジ運動の「手本となる新たな取り組み」としてスペインの「モンドラゴン協同組合ネットワーク」が挙げられている。モンドラゴン協同組合ネットワークは、スペインのバスク地方をルーツとし多様な協同組合の複合体で、その中心は労働者協同組合(ワーカーズコープ)である。
また、オーストラリアにマレーニという町がある。オーストラリアの協同組合の首都とも言われ、多様な協同組合とコミュニティ組織によって成り立っている。この町の郊外に、クリスタルウォーターズ・パーマカルチャー・ビレッジというエコビレッジがある。パーマカルチャーというのは、人間にとって恒久的持続可能な環境をつくり出すためのデザイン体系のことであり、パーマネント(permanent 永久の)とアグリカルチャー(agriculture農業)の造語であるが、同時にパーマネントとカルチャー(文化)の縮約形であるとされている。このクリスタルウォーターズには日本からパーマカルチャーを学びに行く人も少なくない。そして、このエコビレッジもまたクリスタルウォーターズ・コープとして協同組合によって運営されているのである。(社会変革の協同組合と連帯システム、著 津田直則)このことは、パーマカルチャーの技術的な面を学ぶ方にとっては、あまり知られていないかもしれない。
協同組合は「共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自治的な組織」であることから、平和や環境との調和を目指すエコビレッジの運営上、非常に親和性が高いと考えられる。(コミュニティ)協同組合とエコビレッジの関係は、今後深めていきたいテーマの一つである。(協同の発見2020年4月「未来への胎動 エコビレッジの考察から」寄稿一部抜粋)

1月15日のコミュニティをつくって生き抜こう!第一弾の感想です

投稿日: カテゴリー: EventGENtopics
「あいだ」と「わからない」

不寛容、自己責任、監視、分離。今の社会を表すために用いた、とても重苦しい言葉の羅列からはじまった、辻さんの話は、だんだんと熱を帯びながらも、愛情と願いを乗せたような言葉の連続により、それはまるで「自」と「他」の分離がなくなり、「あいだ」を心地よく佇むことのできる「スロー」でやさしい時間となっていった。
そのとても温かい場でのことを記したいと思う。

いつからか人間は、「あいだ」を破壊してきた。また「わからない」を許さなくしてきた。
そのことで、今の社会の諸問題が起こっていると、辻さんは指摘する。
わからないことをよくないとし、わかることを評価にしたゆえに、コロナウイルスのように本来はわからないことまみれの世界に生きているのに、社会としてわからなさに耐える能力(ネガティブ・ケイパビリティ)も失っている。
「わかる」とは、「分かる」であり、二元性であり、分離そのものであり、「自分が正しい」状態ともいえるだろう。
「自」と「他」。主体と客体。「与える側」と「いただく側」。それらを明確に二分化させたことで、分けることのできない間柄や問題を、こじらせてきたのではないか。
本当に分けられるものなのだろうか。
各大陸の先住民をはじめ、西洋科学文明以外では共有されてきた人間の本来在る姿に生きようとする人々の間では、「わからない・分けられない」領域を、重要視してきたのではないか。

「文化」がそうだろう。
文化とは、劇場や美術館にあるものだけでなく、そもそもは人の営み・生き方そのものである。
人と人との関係性や間柄から、ありとあらゆる場所で、その場に応じて、何千年と育まれ、綾なされてきた、「あいだ」そのものである。
そして「わからなさ」の知恵でもあった。
例えば、誰から誰に物を送られたかをわからないようにすることで、そこに必要外の上下を生み出したりしない工夫がなされていた。
画一化されなかったとき、もともと世界はとても多様だったのだ。

私達は、自分を「知っている」と思いがちだけど、本当には何もわかっていないのかもしれない。
最新の研究では、ウイルスや菌類などの微生物が体内や細胞内に無数に存在し、更には、それらのウイルスや微生物無くして人は生きられない。更にはそれらの存在は、細胞内外や空気をなどを媒介し、他者と呼ばれるものと「乗り入れ」し合うという。
もはやどこからがウイルスで、微生物で。どこからが自分で、あなたで、といえるのだろうか。
能動態と受動態というが、世界中の言葉にはその「あいだ」である「中道態」とよばれる言語体系があるのだ。
もはや分けることなどできないのではないか。したとしてもその「あいだ」を持っていたのでなかったか。

しかし「わかる」を基にした、科学技術至上主義と資本主義・自由主義などのマインドセットで、「あいだ」を無くし、「0」か「1」かの世界観になってしまっている。
それらにより「自」と「他」を分けたままにしたことで、かの相模原事件で話題ともなる、生産性のない、イコール「生きる意味のない人」という考えも生まれてしまった。

「二者性」という最首悟さんの言葉を引用して、辻さんは語る。
そもそも「わたし」というものは、「最初から」与えられているのではない。「我思う。ゆえに我あり」的な利己的態度でみる分離の「わたし」ではなく、「わたし」とは、「あなたのあなた」なのだ。
どこまでもつながっている存在なのだ。
自他未分で、不可分なのだ。

そして僕らを勇気づけるようにメッセージをくれた。
「主」と「客」だけでない「あいだ」を取り戻そう。
わたしとあなたは一体で、つながっているのだ。
わからないを怖れずに「あいだ」に入って行こう。
そしてコミュニティを作っていこう!

とてもやる気がでてきたよ。

記事 倭翔輝